明晰夢工房

主に自分語りです。

1989年、一地方高校生が見た「オタクバッシング」の光景について語ってみる。

学級日誌に書き込まれた「オタク叩き」 「オタクは危険人物だ。このクラスにも一人、オタクと呼ぶべき人間がいる」 これが、あの宮崎勤事件が起きて間もないころ、私のクラスの学級日誌にある男子の書いた言葉です。 ここでオタクだと言われていたのは私のこ…

まるで冒険小説のような興奮を呼び起こす名著。増田義郎『古代アステカ王国』

古代アステカ王国―征服された黄金の国 (中公新書 6) 作者: 増田義郎 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 1963/01 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る 実はこのエントリのタイトル、最初は「モンテスマは戦闘狂ではなかった!」にするつも…

人の善意の限界はどこにあるのか?──武者小路実篤『真理先生』

真理先生 (新潮文庫) 作者: 武者小路実篤 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1952/07/02 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 31回 この商品を含むブログ (29件) を見る マリ先生ではなくシンリ先生。 その名の通り、弟子たちに真理を語り聞かせる代わりに生…

松浦武四郎の「内向性」と幕府のアイヌ政策批判

www4.nhk.or.jp 先日放送された、英雄たちの選択「北の大地と民を守れ!松浦武四郎・北海道の名付け親」をようやく録画で観ることができた。番組中で一番印象に残ったのは、脳科学者の中野信子が語っていた松浦武四郎の「内向性」だ。 内向性という言葉から…

太陽まりい『ギャルごはん』感想

スポンサーリンク // ギャルごはん 1 (ヤングアニマルコミックス) 作者: 太陽まりい 出版社/メーカー: 白泉社 発売日: 2017/06/29 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 悪意がどこにも存在しない漫画というものはいいものです。 疲れているときは…

読めば又吉直樹が好きになる一冊。又吉直樹『夜を乗り越える』

夜を乗り越える(小学館よしもと新書) 作者: 又吉直樹 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2016/06/01 メディア: 新書 この商品を含むブログ (14件) を見る 昔から、「辛口批評」のたぐいがどうも苦手だ。手厳しく批判するのが悪いと言いたいわけではない。それ…

醜い者は分相応に生きよ──福田恆存『私の幸福論』

私の幸福論 (ちくま文庫) 作者: 福田恒存 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1998/09/01 メディア: 文庫 購入: 11人 クリック: 62回 この商品を含むブログ (70件) を見る 女はとかく外見を品評される。今は男だってそうかもしれない。大事なのは人格だと言…

個性的であれという呪縛が人を苦しめる──南直哉『なぜこんなに生きにくいのか』

なぜこんなに生きにくいのか (新潮文庫) 作者: 南直哉 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2011/09/28 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 14回 この商品を含むブログ (7件) を見る ある時期から、どうもブログの世界が居心地が悪い、と感じるようになった。 …

その昔、「100の質問」が苦手だった

先日、ツイッターのTLを「物書きさんに20の質問」と書かれたツイートが流れていくのを目にした。ずいぶん懐かしいものを見せられたような気がしたのと同時に、当時感じていたある種の苦さのようなものも思い出した。 意味がわからない人のために説明すると、…

エマ・ワトソンのスピーチに関する雑感

logmi.jp togetter.com anond.hatelabo.jp 今日は以上の記事を読んで思ったことを記しておこうと思う。 世の中には、総論賛成各論反対、みたいなことが多い。どこの記事だったか忘れたが、「男性も無理せず弱みを見せられるようになればいい。無理に男らしさ…

『王様でたどるイギリス史』

スポンサーリンク // 王様でたどるイギリス史 (岩波ジュニア新書) posted with カエレバ 池上 俊一 岩波書店 2017-02-22 『パスタでたどるイタリア史』は面白い本だったが、それに比べるとこれはかなり個性は控えめな印象。パスタやお菓子など、あまり普通の…

「挫折した貴方は魅力的ですよ」とあの人は言った。

kakuyomu.jp 第二回カクヨムウェブ小説コンテストの結果は、周囲に大きな波紋を投げかけた。 僕の知人でも大賞を受賞した人もいるし、結果に落胆して筆を折ると言い出した人や、もうウェブでは戦えないので公募に切り替える、と宣言する人も見た。 自分自身…

新海誠氏の不倫報道を見て、人格と作品の関係性について考えた

スポサーリンク // // 今朝、新海誠氏の不倫報道が流れていたことを知った。新海氏はそのような事実はない、とこれを否定している。 headlines.yahoo.co.jp 僕の交際関係を報じる記事が出たとのこと。記事中にある食事等は事実ですが、交際の事実は一切あり…

『嫌われる勇気』に対する真摯な批判

『嫌われる勇気』の最大の問題点は何か 先日、宇樹義子さんによるこちらのエントリを読んだ。 decinormal.com このエントリでは、『嫌われる勇気』によって有名になったアドラー心理学のデメリットについて簡潔かつ丁寧に解説されている。このブログでも以前…

平井堅『ノンフィクション』を聴いた

スポンサーリンク // // 優しいというのはこういうことではないか、と思った。 平井堅という人は僕の中ではラブソングの人、というくらいの雑なイメージしかなかったが、この曲でそのイメージは大いに修正された。自ら命を絶った友人のために作った曲らしい…

高橋祐一『緋色の玉座』感想:スニーカー文庫で読める東ローマの歴史小説

スポンサーリンク // 緋色の玉座 (角川スニーカー文庫) posted with カエレバ 高橋 祐一 KADOKAWA 2017-05-01 こういう作品がスニーカー文庫から出るというのがまず驚き。 東ゴートやヴァンダル、ササン朝の地図が見られるラノベはなかなかない。 表紙を飾る…

おんな城主直虎14回『徳政令の行方』感想:ここまで内政を丁寧に描く作品は他にはない。

スポンサーリンク // 先週はノロウイルスで倒れていて感想が書けませんでしたが、このドラマは毎回挑戦的なことをやっていて大変素晴らしいと思っています。今回は前回に引き続き徳政令の話でしたが、方久に年貢を納めることになった村人が不満をつのらせて…

おんな城主直虎12回感想:高橋一生の演技力が凄味を増す一方

スポンサーリンク // 最近このドラマの評価が自分の中でどんどん上がっていますが、今回も緊迫感に満ちた良い回だったと思います。やはり特筆すべきは高橋一生の演技力。表情が完全に吹越満と同じになっている辺りに凄味を感じます。結局政次は父の予言通り…

おんな城主直虎11回「さらば愛しき人よ」感想:また一人見送らなくてはならない

スポンサーリンク // 瀬名を助けに来たのは家康の家臣、石川数正でした。瀬名は一命をとりとめ、竹千代も助かりましたがこの後今川家での陰謀が動き出します。家臣が次々と離反することに悩む氏真に向かって「事が起きる前に握り潰せ」と言う寿桂尼。この後…

おんな城主直虎の視聴率の推移について

スポンサーリンク // saavedra.hatenablog.com おんな城主直虎の10話については、当ブログでは非常に高く評価しているのですが、残念ながら視聴率という点では苦戦しています。前回の視聴率は12.5%と、前々回の14.0%をさらに下回ってしまいました。 headli…

おんな城主直虎10話「走れ竜宮小僧」感想:井伊家の内情を丁寧に描いた内容に好感。今後に期待大

スポンサーリンク // 前回は奥山のキレ方など今ひとつよくわからない点が多かったんですが、今回はかなり良い内容だったと思います。非常に見応えがありました。 直親の政治的判断 結局奥山を斬り死なせてしまった政次。しのは政次の厳しい処分を求めるが、…

誰も読んでくれない小説を書き続けることに、どんな意味があるのか?

先日、ときまき!さんのこういうエントリを読ませて頂いた。 tokimaki.hatenablog.com これは小説に限らず、創作を事としている人ならばいろいろと思うところのある文章なのではないかと思う。 誰も読んでいない作品を、それでも最後まで書き続ける意味はあ…

けものフレンズ9話感想:少しづつ増えてくる情報にますます目が離せない

スポンサーリンク // ゆきやまちほーの新フレンズはキタキツネとギンギツネ、そしてカピバラ。今回はすごく情報量が多くて、とても全部は書ききれない。カピバラといえば温泉、というわけで今回は温泉回。 サーバルはサバンナの生き物なので寒さには弱いが、…

1年間のカクヨムでの活動を振り返ってみる。小説家になろうとの比較など

カクヨムが3月1日でサイトオープン1周年を迎えた。 割と大きな期待を背負って始まったサイトだと思うが、曲がりなりにも自分もここで1年間活動してきたので、過去を振り返りつつカクヨムについて思うところなどをまとめてみたいと思う。 カクヨムはウェ…

英雄たちの選択 坂上田村麻呂についてのメモ

もう3回位放映されているが、興味深い内容だったのでメモ。 田村麻呂の選択は降伏してきたアテルイの命を助けるかどうかという点。なぜ阿弖流為が命乞いなどをしてきたのか?という考察が面白かった。里中美智子説はアテルイは本来死ぬ気だったが、田村麻呂…

木下昌輝氏の珠玉の文章が光る一冊。『決戦!川中島』

スポンサーリンク // 歴史小説というものはその構造上、結末はあらかじめわかっている。 海外のマイナーな事件を取り上げたものなら別だが、題材が日本史なら、ある人物がどのような結末を迎えるのかは調べればすぐにわかる。 いわば最初から全部ネタバレし…

おんな城主直虎9話「桶狭間に死す」感想:小規模な争いが国衆のリアル

スポンサードリンク // 義元の戦死の場面はどうなることかと思ったら一切描かれず。直盛は自害するが、結局桶狭間の戦闘シーンも殆ど描かれなかった。このドラマは徹頭徹尾、井伊谷を描くという方針で行くらしい。だから井伊谷の外のことは最低限しか描かれ…

大事なことは、自分の欲望の在り処を自分で見つけること

スポンサーリンク // togetter.com 神絵師になれないこと自体は問題ではない 読んだんですが、これ、神絵師になれていない事自体が問題なわけではない、と思います。 1の人は3日で描くのをやめたということは絵がそれほど好きではないのだろうし、2の人につ…

けものフレンズ8話感想:最終回でペパプライブをもう一度見ることはできる?

スポンサーリンク // ペンギンたちのアイドルグループ、ペパプのライブ回。マーゲイからの情報で、ペパプは3代目であることがわかる。ペパプの初代からは、どれくらい時間が経っているのだろうか?ペパプのメンバーの言葉からは、先代のペパプがどういう感じ…

史実の「三国志」について学べるおすすめ本を12冊紹介します。

スポンサーリンク // こういうエントリを読むような方は「三国志にはフィクションである三国志演義と陳寿の書いた正史である三国志が存在して……」などという話はとっくにご存知だと思いますのでそのへんは省略します。 書棚を見たら今まで読んだ三国志本が結…