明晰夢工房

読んだ本の備忘録や日頃思ったこと、感じたことなど

小説

直木賞候補作家・上田早夕里の『夢みる葦笛』はSF初心者にもおすすめできる短編集

夢みる葦笛 作者: 上田早夕里 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2016/09/15 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (3件) を見る 上田早夕里『破滅の王』が第159回直木賞の候補に選ばれた。こちらは歴史小説だが、最近SFが読みたい気分だったので同じ作者の…

北方謙三『チンギス紀』はモンゴル考古学者・白石典之の研究を参考にしている?

チンギス紀 一 火眼 作者: 北方謙三 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2018/05/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 『水滸伝』から『楊令伝』を経て『岳飛伝』に至る壮大なサーガを語り終えた北方謙三が次に挑むのがチンギス・カンの生…

司馬遼太郎のおすすめ作品は『「司馬遼太郎」で学ぶ日本史』を読むとわかる

「司馬遼太郎作品はただのフィクション」と切り捨ててよいか 「司馬遼太郎」で学ぶ日本史 (NHK出版新書 517) posted with ヨメレバ 磯田 道史 NHK出版 2017-05-08 Amazon Kindle 楽天ブックス 楽天kobo 7net 司馬遼太郎という人は特別な作家です。多くの人は…

歴史小説のおすすめ本を20作選んでみる(戦国時代編)

戦国時代という素材は小説ではすでに書きつくされているような印象もありますが、探せばまだまだ面白い作品が見つかるものです。ここでは戦国時代を扱った小説本でおすすめの作品を15作選んでみました。 1.国盗り物語 国盗り物語1~4巻完結セット 発売日: 1…

和田竜『忍びの国』感想:忍者の本質とは何か?

忍びの国 (新潮文庫) 作者: 和田竜 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2011/02/26 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 5回 この商品を含むブログ (43件) を見る 本作で『のぼうの城』の和田竜が描き出す忍者の世界は、とかく世知辛い。 同じ伊賀の中ですら平…

佐藤賢一『小説フランス革命』が描き出す「男らしさ」コンプレックス

日本人の多くはフランス革命を知らない。それは結局のところ、フランス革命を扱った小説が少ないからだ──と誰かが語っていたことを覚えている。多くの人は歴史書を読んで日本史を学ぶのではなく、大河ドラマや司馬遼太郎から学ぶ。ならフランス革命も誰かが…

似鳥鶏『きみのために青く光る』と銃社会

必要は発明の母というが、実は逆で、発明は必要の母ではないかと思うことがある。 つまり、ある便利な技術が開発されることで、ついその技術を人は使ってしまい、使っているうちにそれが必要不可欠ななものだと錯覚するのではないかということだ。 異能を授…

読者を新たなクトゥルフ沼に誘う一冊──『邪神任侠 家出JCを一晩泊めたら俺の正気度がガリガリ削れた』

世の中にはたくさんの「沼」がある。 鉄道やミリタリー、歴史、哲学、廃墟やSFなどなど、一度はまり込んだら抜け出せないジャンルは枚挙にいとまがない。 そして、中でもとりわけ深い沼のひとつにクトゥルフ神話がある。 それだけに、クトゥルフを題材とした…

カクヨムの新連載小説「ムルムクス」が怖すぎて続きが気になりすぎる件

読みだしたら止まらない小説というものがある。 いつも歴史とファンタジー小説しか読まない自分が、まさかホラーにここまではまるとは思わなかった。 これは一度読んだが最後、続きが気になり、次回の更新を渇望してしまうようになるだろう。文字通り巻を措…