明晰夢工房

読んだ本の備忘録や日頃思ったこと、感じたことなどなど

科学

オオカミはどんな過程を経てイヌになったのか?アリス・ロバーツ『飼いならす──世界を変えた10種の動植物』

飼いならす――世界を変えた10種の動植物 作者:アリス ロバーツ 発売日: 2020/10/16 メディア: 単行本 イヌと人間とのかかわりは、従来思われていたより古いようだ。この本ではアルタイ山脈のラズボイニクヤ洞窟でみつかった動物の頭蓋骨を紹介しているが、3万…

【感想】パオロ・ジョルダーノ『コロナの時代の僕ら』

コロナの時代の僕ら 作者:パオロ ジョルダーノ 発売日: 2020/04/24 メディア: Kindle版 このエッセイ集を貫くものがふたつある。明晰さと真っ当さだ。パオロ・ジョルダーノは素粒子物理学を修めた科学者らしく、COVID-19が人間社会にもたらす影響を、ビリヤ…

【書評】山本太郎『感染症と文明 共生への道』

感染症と文明――共生への道 (岩波新書) 作者:山本 太郎 発売日: 2011/06/22 メディア: 新書 文明化とは感染症との共存だ、ということがこの本の一章『文明は感染症の「ゆりかご」だった』を読むとわかる。文明化以前の人類は小規模な集団で狩猟生活を行い、移…

【感想】『ビジュアルパンデミック・マップ 伝染病の起源・拡大・根絶の歴史』

ビジュアル パンデミック・マップ 伝染病の起源・拡大・根絶の歴史 作者:サンドラ・ヘンペル 発売日: 2020/02/14 メディア: 単行本 ジフテリアや天然痘・コレラ・マラリア・ペスト・梅毒など、人間を苦しめてきた数々の伝染病の歴史を図解で解説している本。…

【感想】内山昭一『昆虫は美味い!』

昆虫は美味い! (新潮新書) 作者: 内山昭一,長畑直和,畠山モグ 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/01/16 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 昆虫食といえばこの人、内山昭一氏による昆虫食の雑学本。 わざわざ食べる人がいるからには、昆虫食は…

【感想】『世にも危険な医療の世界史』の衝撃的すぎる内容を紹介する

世にも危険な医療の世界史 作者: リディアケイン,ネイトピーダーセン,福井久美子 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2019/04/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 健康法の歴史は古い。今でも健康オタクはたくさんいるが、科学の未発達な時代の…

ヒアリなんて序の口!「痛みの鑑定人」昆虫学者が虫刺されの痛みを科学する『蜂と蟻に刺されてみた―「痛さ」からわかった毒針昆虫のヒミツ』

蜂と蟻に刺されてみた―「痛さ」からわかった毒針昆虫のヒミツ 作者: ジャスティン・O・シュミット,今西康子 出版社/メーカー: 白揚社 発売日: 2018/06/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 「○○してみた」もここまでくると命がけだ。「痛みの鑑…