明晰夢工房

読んだ本の備忘録や日頃思ったこと、感じたことなどなど

麒麟がくる

【麒麟がくる17話感想】そして、道三は伝説になった

www.nhk.or.jp 『麒麟がくる』17回「長良川の対決」は大河ドラマ史上、長く語り継がれるであろう回になった。第1回からていねいに積み上げられた斎藤道三・高政父子の相克の物語は、ついにここに決着を見た。長良川河畔に鳴り響く陣太鼓のリズムが悲壮感を盛…

麒麟がくる2話「道三の罠」感想:織田信秀の経済力描写の細かさについて

今回は合戦の描写にかなり力が入っていた。 斎藤軍四千vs織田軍二万と数字上は織田軍が大きく上回っているが、斎藤道三は織田軍の大部分が金で集めた兵であることを知っているので少しも動じることがない。 今回、ドラマの冒頭で道三は孫子の一節をわざわざ…

麒麟がくる1話『光秀、西へ』感想

【1/19 HP更新のお知らせ】初回放送を終えて長谷川博己インタビュー 公開#麒麟がくる #明智光秀https://t.co/nMfnCDlcqK — 【公式】大河ドラマ「麒麟がくる」初回1月19日(日)放送@NHK (@nhk_kirin) 2020年1月19日 この光秀は旅の途上、荒廃した室町後期…

信長研究者は本能寺の変の原因を何だと考えているのか?『本能寺の変サミット2020』内容まとめ

先日、NHKBSで放映された『本能寺の変サミット2020』の内容をこちらにまとめておきます。参加したパネリストは天野忠幸,石川美咲,稲葉継陽,柴裕之,高木叙子,福島克彦,藤田達生の7氏。 この日、本能寺の変の原因として検討されていたのは怨恨説・朝廷or…

伊東潤『敗者烈伝』における明智光秀の評価

敗者烈伝 (実業之日本社文庫) 作者:伊東 潤 出版社/メーカー: 実業之日本社 発売日: 2019/10/04 メディア: 文庫 「汁二杯」のエピソードのせいでどうしても良いイメージを持たれない北条氏政だが、この本においては意外と評価が高い。上杉謙信との間に結ばれ…

明智光秀「仏のうそを方便といい、武士のうそを武略という」←なぜここだけ抜き出すのか

武士の日本史 (岩波新書) 作者: 高橋昌明 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2018/05/23 メディア: 新書 この商品を含むブログ (2件) を見る 明智光秀が「仏のうそを方便と云い、武士のうそを武略と云う」と公言したという話が『老人雑話』には載っている。…