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明晰夢工房

主に自分語りです。

アニメ「アイドルマスターシンデレラガールズ」に見る「Doingタイプ」と「Beingタイプ」

アニメ

ameblo.jp

カウンセラーの杉田隆史さんという方のブログが面白くて、最近よく読んでいる。杉田さんによると、人間のふたつのあり方として「Doing」と「Being」のタイプがあるらしい。Doingは何か目標を達成することに価値を感じるタイプで、Beingは他者と協調することに価値を置いているタイプを指している。人それぞれ両方の要素を持っているので簡単に分けられないが、どちらの要素が強いか、によって大まかなタイプ分けが可能になるようだ。


このDoing/Beingというタイプ分けでシンデレラガールズのアニメを見ていくと、結構色々と気づくことがある。特に最近のニュージェネレーション周りに起きていることに関して、この視点から見ていくと自分なりに納得の行くことが多くなった。


およそアイドルになるような子はアイドルになってやりたいことがあるわけで、大体のアイドルはDoingタイプになるのではないかと思う。猫キャラで自分をアピールすることに余念がないみくは典型的なDoingタイプだし、李衣奈もみくほどはっきりしていないものの「ロックなアイドル」というたどり着くべき自己イメージがあるDoingタイプだ。アスタリスクは二人ともDoingタイプで、この二人は目指すアイドル象が異なっているのでみくと李衣奈はよく衝突するし、その不協和音が一種の味になっている。


ではニュージェネレーションズの3人はどうだろうか。渋谷凛はトライアドプリムスに誘われて心が揺れ、結局参加を決意した。ニュージェネの結束よりも美城常務の企画に乗ることを優先した凛はDoingタイプではないかと思う。神谷奈緒北条加蓮もクール属性のアイドルであり、この二人となら自分の望むアイドル象が実現できると考えたのだろう。そして演劇に挑戦し、ソロ活動を始めることを決意した本田未央もまたDoingの傾向が強い。自分のやりたいことがニュージェネの結束に優先している。方向性は違えど、それぞれ個性が強くなりたいアイドル像を追及するタイプである。


これに対して、今ひとつ方向性がはっきりしないのが卯月だ。もともとモバマスにおいて、島村卯月は「普通」であることが強調されていたキャラクターである。アイドルになってやりたいことについてもラジオ出演やCDデビュー、ステージに立つこと、テレビ出演などの夢は語るが、これらは一般的に考えられるアイドルのイメージであって、卯月自身がどうしても実現したい夢ではないように思う。「笑顔にだけは自信がある」というのも、他者と協調することの得意なBeingタイプの特徴を示しているのではないだろうか。


卯月はBeingタイプなので、一番近い存在である凜や未央と仲良くやっていきたいし、それが一番の目標になっているように思える。だから凜がトライアドプリムスに参加することについて未央にどう思うか聞かれたとき、「わかりません」としか答えられなかった。卯月の気持ちとしては凜にはニュージェネレーションズに残って欲しいのだが、凜との関係性を大事にしたいがために凜の希望を否定するわけにもいかず、どう答えていいかわからなかったのである。


未央がライブの客の少なさとPの言葉にショックを受けて事務所に来なくなってしまったとき、風邪で熱を出した卯月をPが見舞うシーンがある。未央と凜がやる気を失う中卯月だけが前向きで、「笑顔になれなかったことを後悔している」と言ったことが「卯月は大天使」と絶賛されているが、これは卯月がBeingタイプとしての協調性を発揮してPを気遣った台詞だったのかもしれない。Pに一番の取り得が笑顔だといわれたら、卯月はいつでも笑顔でいるしかないのである。我が強くDoingタイプの多いアイドル達の中では卯月のBeingとしての性格は際立っいて、それゆえに「天使」に見える。しかしこの性格が最近はマイナスに出ていて、Pに「島村さん個人としてはどうでしょうか」とやりたいことを聞いても答えられなかった。小日向美穂とユニットを組むのも、Pの提案に流されるままにやったことのように見える。


このような卯月の性格が今後どうストーリーに影響するのかはわからないが、おそらくは良い決着を付けてくれるのではないかと思う。個性の強いメンバーの中において、人間関係の潤滑油となれる卯月の存在は貴重だ。卯月ともう一人Beingタイプの特徴が出ているアイドルとしては、三村かな子がいる。かな子はスイーツ作りが趣味だが職人的にお菓子に凝っているのではなく、お菓子を食べてもらって皆に喜んでもらいたいという面が強いようだ。かな子にとってのスイーツも卯月と同様、人間関係の触媒である。この二人がアニメでどういう結末を迎えるか、今後も注目したい。