明晰夢工房

読んだ本の備忘録や日頃思ったこと、感じたことなどなど

お前が作者になるんだよ!

今週のお題「芸術の秋」

 

「芸術の秋」なんて言いますけど、そもそも芸術に取り組むのに秋にかこつける必要ってないと思いません?暑くも寒くもないし季節的に取り掛かりやすいというのはあるかもしれないけど、結局鉄は熱いうちに打てで、なんだってやる気になった時に取り組むのが一番なんですよ。

「雫、それって本当に今やらなければいけないことなのかい?」って雫パパに言われても、やっぱり雫にとってはあの時期に小説を書かないといけなかったわけです。受験勉強を犠牲にするくらいの覚悟で臨まないと、物語的にも緊張感が出ないでしょ?まあそんなメタな話はどうでもいいとしても、物事には必ず「旬」がある。その時期を逃してはいけない。チャンスの女神に後ろ髪はないのだ。

 

とは言っても世の中には冬のせいにして暖め合う人達だっているわけだから、秋のせいにしてなにか芸術的なことを始めるのもいいだろう、と思います。絵も音楽もできないよ、という人でも、小説なら取り組めるかもしれないですよね。普段ブログ書いてる人なら文章を書くのにも抵抗はないだろうし。

ところで、いつもブログで書いている通り私は投稿サイトで小説を書いてるんですけど、小説って芸術に入るんでしょうかね。文芸って言葉があるくらいだから入るのかな。いや、これはたぶん小説にもよるんでしょう。三島由紀夫みたいないかにも文学文学してる格調高い文章が書ければこれは「芸術」でいいかもしれない。じゃあミステリは?ラノベはどうなの?私の書いてるものは芸術の範疇に入れていいの?

 

……と3秒くらい考えたんですが、先日カクヨム公式で拙作を散りあげてもらったことを思い出しました。

 

kakuyomu.jp

 

「今回は特に“文章”が良かった作品をご紹介。もちろん文章以外も素晴らしいのだけれど、その素晴らしさを十二分に引き出す文章の力を持った作品を集めました」ですって。嬉しいですねえ、こういうことを言ってもらえるというのは。やっぱり小説って全部文章で構成されているので、こうして文章を評価していただけるというのは何よりの喜びです。

 

……え、結局ただの自慢じゃないか、ですって。大事なのはここからなんですよ。リンク先で公開されてる私の作品について、「なんだ、こんな程度俺だって書けるわ」とお思いになった方もいると思います。そう、それですよ。芸術に取り組むきっかけなんてその程度でいいのです。立派な動機なんて要りません。なんかあいつ調子に乗ってるから鼻っ柱をへし折ったるわ、これから私が本物の文章力というものを見せてさしあげますよ。そのくらいの気持ちではじめて全然OKなんです。何しろ、今ちょうど面白そうな企画やってますからね。

 

kinky12x08.hatenablog.com

レギュレーションなど詳しい内容についてはリンク先を見て欲しいのですが、この小説大賞の凄い点はなんといっても「応募作すべてに審査員3人からの詳しい講評がつく」ということです。ウェブ小説の悩みどころとして「なかなか感想がもらえない」というものがありますが、この大賞に応募すれば、少なくとも3人からは確実に読んでもらえるのです。講評の内容だって真剣です。遊びで投降しても全然無問題ですが、講評は本当に全作品しっかり読んで真面目にやってます。ちなみに第3回の講評はこんな感じです。

kinky12x08.hatenablog.com

いやあ、この時は私は金賞で惜しくも優勝逃しちゃいましたね(また宣伝かよ)。このように優勝作品にはイラストもつきますし、優勝しなくてもきっちり隅から隅まで目を通してもらえるので、自作を読んでほしい方は気軽に応募してみましょう。もしかするとうっかり優勝してしまうなんてこともあるかもしれないから。

 

カクヨム公式に取り上げられた私の作品について、「いや他にいいのあるでしょ?なんでもっといい作品に光を当てないの?」とお思いの方もいるかもしれません。おそらく、それは間違っていないでしょう。投稿サイトには膨大な数の作品が存在するので、すべての良作に均等に光が当たるわけではないのです。もっと取り上げられるべき優れた作品だって他にあるかもしれない。

 

ただ確かなことは、バットは振り続けなければボールには当たらないということです。私の書いたものは運良く公式の目に止まっただけ。それはそうです。でも、少なくとも投降し続けないと読んでもらう機会も訪れない。自分の番が回ってくるまで腐らずにやり続けないことには、道が開けないことも確か。私がウメハラだったら「ガチャを回し続ける意志力」って新書でこの辺の話題を書きたいと思います。

 

そうは言っても、いつ自分の番が回ってくるかわからないのではモチベーションが下がり気味になるのも間違いのないところです。でも本物川小説大賞なら、100%確実に読んでもらえます。こんな機会はなかなかありません。今小説やってみようかな……と悩んでいる方は、もう思い切って挑戦してみるのがおすすめですよ。人生そんなに長くないし、見る阿呆より踊る阿呆になったほうが100倍楽しいってことは実体験上確実に言えますから。

 

ちなみに、この企画の主催者の大澤めぐみさんは傑作青春小説『6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。』の作者です。これは切なくて読後感がとてもいいのでぜひ読んで欲しい。

saavedra.hatenablog.com