明晰夢工房

読んだ本の備忘録や日頃思ったこと、感じたことなどなど

骨無しチキンの楽園

はてなブックマークをなくすべきだとかなくすべきでないだとかいう議論を目にしましたが、まあ、1ユーザーがどうこう言ったところで結局なくなりはしないだろうし、多少仕様に変更が見られたとしても、1年後も大して代わり映えのしない光景が繰り広げられてるんでしょうね。あいかわらずネガコメがあちこちで見られるだろうし、政治やジェンダーの話題では皆が喧々諤々やってるんだろうし、クラスタの人たちはお互いにブクマ付けあって心にもないおべんちゃらを並べてるんでしょう。

 

で、こちらとしてはそういう場所からはなるべく距離を取りたいって思うだけですね。はてなブックマークは攻撃的な人も少なくないけれど、趣味で好きな本のことを書いている分にはそうそう変な人も来ないし、己の領分を越えて旬の話題にひとつ噛んでやろうと思いさえしなければこれと言ってひどい目にも合わないし、感情の地雷原みたいなところを避けて通ればネガコメなんて他人事。こっちにはなんにも関係ない。

 

……っていいたいところなんですけど、こんな泡沫ブログにすら、たまに暴言吐いてくる人っているんだよね。普通に本の感想を書いてるだけでも「誰にでも書けるようなことばっかり書きやがって」だとか、ついでに人間のクズだのと罵倒していったりとか。ちょっと興味が出たんで、その人にidコールしてわざわざ1エントリ立てて反論したんですけど、なにも返事がなかったですね。そしたらその人、次の日からターゲットを変えて別の人に粘着してんの。しょせん反撃してくる相手にはなにも言えない骨無しチキンなんだよね、こういう手合ってのは。そいつは数ヶ月したらアカウント消えてましたけど、罵倒ばっかしてたから誰かが通報したんだろうね。

 

こういう手合の特徴として、とにかく覚悟ってものがない。殴ったら殴り返されるかもしれないという計算すらしてない。覚悟があったら暴言を吐いていいというわけではないけれど、なんで暴言を吐かれた相手がやり返してくる可能性すら考えてないのか。ちょっと人間ってもんを舐めすぎてやしませんか、って話なんですよ。別に私のこのブログだって、加害性が皆無とは言わない。基本取り上げる本は褒めてますけど、『嫌われる勇気』はかなり批判しましたからね。ただ、そういうときはこっちはあの本が好きな人から叩かれるだろうなと覚悟くらいはしている。でも、この手のブクマカって、クソコメをつけたらその時点でもうリングに上ってしまってるって自覚すらない。もうそこは外野じゃないんだよ。人に文句垂れた時点で当事者になってるの。

 

今のはてなブックマークについて思うのは、こういう安全圏から罵倒だけ投げつけて去っていきたい骨無しチキンが生息するのにはずいぶん都合のいい場所になってるんだろうな、ってことですね。変なコメントがひとつくらいならidコールして反論するのも大した手間ではないけれど、数が集まるといちいち相手するのも面倒だし、多数で叩くブックマーカーと叩かれる側の間に大きな非対称性があることは確かです。そこまで大勢に叩かれるような経験をしたら、私もはてなブックマーク廃止論を唱えたりするかもしれませんね。これはポジショントークそのものですけど、別にポジショントークしたっていいんですよ。世の中私はなんのポジションもとってない中立地点から話をしてます、というスタンスを取る人ほど信用できない人はいないから。

 

いや、私にしても炎上というか、大勢のブックマーカーに批判を受けた経験がないでもないですけどね。もうだいぶ前の話ですけど、はてなダイアリーで日記を書いていた頃にははてなの有名論客にこっちが言ってないことを言ったことにされ、その人に影響されたブックマーカーがいろいろ言ってきましたね。それでもブクマなんて無くしちまえ、と思わなかったのは、私が扇動したブロガーの方に問題があると思ってたからでしょうね。まんまと誘導されて突っ込んでくるファンネルみたいなブクマカは鬱陶しいけどしょせんは小物で、どうでもいい存在だと思ってましたから。ところで、そのブロガーは某掲示板で誹謗中傷の限りを尽くしていたことが暴露されて表舞台から消えました。私を攻撃してくる人は失脚する運命にでもあるんですかね。や、人の中傷ばっかりしてる輩は遅かれ早かれそうなるというだけのことだろうけれど。

 

私ははてなブックマークをなくすべきだとは思わないし、そもそも改善できる見込みもないだろうと思ってはいるけれど、これって結局サービスを使う側だからなんですよね。はてなの中ではてなブックマークは必要か?って聞くのは全米ライフル協会に銃って必要なんですか?と聞くようなものだし、大多数の人は必要だって答えるでしょう。でも、はてな外の人からだったらまた別の答えが聞けるかもしれませんね。あるプログラマの人が、はてなブックマークで辛辣なコメントを書かれて傷ついたとツイッターで書いてるのを見かけましたけど、その人を慰めてる人が「あそこは変な人が多いから気をつけたほうがいい」と言ってましたよ。外から見た印象なんてそんなものかもしれませんね。ネガコメを書くのも表現の自由だというならば、それに対する批判もまた受け入れなければフェアではありません。