ケン・リュウ『母の記憶に』の文庫版がやたら安いと思っていたら、やはり収録されているのは単行本の一部だけでした。こちらの文庫版に収録されている作品は、ハヤカワオンラインを見ても『母の記憶に』『残されし者』だけしかわからず……まあ発売されればわかることではありますが。
単行本の『母の記憶に』の作品で文庫版『母の記憶に』に収録されていない短編はこちらに収録されています。表題作はこの短編集のなかでも一番の名作だと思っていますが、これ以外の収録作は『烏蘇里羆』しか今のところは明らかではありません。表題作が中国ものだから『訴訟師と猿の王』『万味調和』もこちらに入りそうな気がしますが確かなことはわからず。
『草を結びて環を銜えん 』は揚州大虐殺という史実を下敷きにした歴史作品なので、SF好きでなくても読めます。ケン・リュウ作品はどれも適度なエモさがあり、SF初心者でも読みやすいので手に取りやすい文庫版から入るのもいいかもしれません。