明晰夢工房

読んだ本の備忘録や日頃思ったこと、感じたことなどなど

2016-01-01から1年間の記事一覧

『純潔のマリア』のラストにどうしても納得がいかなかった件

※このエントリは『純潔のマリア』のネタバレを含みます 純潔のマリア 1 (アフタヌーンKC) 作者: 石川雅之 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2010/02/05 メディア: コミック 購入: 16人 クリック: 175回 この商品を含むブログ (143件) を見る 魔女と聖母の特…

「好きになる閾値」が低い人と心の飢餓問題

スポンサードリンク // 「すぐに好意を持ってしまう人」の問題 togetter.com 先日、こういうまとめを読んだ。 コメント欄はオタクがどうこうという話になってしまっているが、これは「他者との距離感が上手く測れない人」の話と言っていいだろう。 相手は普…

劉邦の魅力と"SAVE THE CAT"の法則

スポンサードリンク // 劉邦の魅力の秘密はどこにあるのか? www.saiusaruzzz.com 劉邦という人物は、取り立てて取り柄がある人物とも思えないのに、なぜ多くの人材を惹きつけたのか。 その理由としては、『項羽と劉邦』に書かれているように、「この人は自…

「保育園落ちた日本死ね」はネット流行語大賞にならふさわしい

anond.hatelabo.jp www.cinematoday.jp 「保育園落ちた日本死ね」が今年の流行語大賞に選ばれたことが議論を呼んでいる。 周囲を見渡しても、これは流行語にふさわしくないという人は多い。 「死ね」なんて汚い言葉を流行語に選ぶべきではないとか、そもそも…

ヤマザキマリ『男性論』を読んで、才能とは何かを考えた

スポンサードリンク // 男性論 ECCE HOMO (文春新書 934) 作者: ヤマザキマリ 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2013/12/18 メディア: 新書 この商品を含むブログ (7件) を見る 本の内容は、ヤマザキマリさんが古代ローマやルネサンスの気になる男性につい…

問注所氏という一族が存在したことを初めて知った

saavedra.hatenablog.com このエントリでも書いた『全国国衆ガイド』を読み返していたのですが、九州編で筑後に「問注所氏」という国衆が存在していたことを知りました。 全国国衆ガイド 戦国の‘‘地元の殿様’’たち (星海社新書) 作者: 大石泰史 出版社/メー…

1997年以降の歴代大河ドラマを名言で勝手に振り返る

真田丸もいよいよ佳境を迎えていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。日々ツイッターのTLを眺めていても、このドラマは大変な盛り上がりを見せています。おそらく10年後も語り継がれる作品となっていることでしょう。ですが……この作品をどう評価していい…

おんな城主直虎は「国衆」の物語

真田丸の前半は「国衆」の物語だった 真田丸を通じて有名になった学術用語と言えば、「国衆」だと思います。 真田丸の前半は真田昌幸の物語と言って良い感じだったのですが、昌幸は自分のことを「国衆」と認識していて、「国衆の生き様を見せつけてやる」(…

欲しいコンテンツは、応援しなければ供給されない

スポンサードリンク // 「その人にしか書けないブログ」は今でもたくさんある mubou.seesaa.net 半年ほど前に話題になったエントリなのですが、少々思うところがあるのでコメントなどを。 あらかじめ言っておきますと、僕は上記のエントリで書かれていること…

書店は「宝探し」をする場所ではなくなった

ネットが普及する前、書店はどういう場所だったか news.yahoo.co.jp この記事を読んでいて、ネットが普及する前の書店の状況について考えていたのですが。 思えば昔は書店というのが、本に関する情報を得られるほぼ唯一の場であったように思います。 ネット…

武田家滅亡の真因「高天神崩れ」とは何か?

スポンサードリンク // 長篠での敗北が決定的だったわけではない 一般的な感覚としては、武田家が信長に滅ぼされたのは長篠の戦いで武田勝頼が敗北したから、というイメージが強いのですが。 確かに長篠の戦いでは、武田家の家臣が数多く戦死しています。 山…

なぜ、世界を救った勇者が一般人として生きなくてはいけないのか?

ドラゴンクエスト7についてずっと疑問に思っていたこと saavedra.hatenablog.com 以前も書きましたが、僕はドラゴンクエスト7は名作だと思っています。 特に3DS版では転職もやりやすくなっているし、シンボルエンカウントなのでいつ敵に遭遇するのかというス…

人生の勝利条件なんて、自分で勝手に決めればいい

何日か前の話なのですが、趣味で書いていた小説に初めてファンアートというものを頂きました。大変美麗なイラストを描かれる方なのでかなり驚いているのですが、このことだけでも今まで素人なりに書いてきて良かったかな、という気分です。 僕にとってはこれ…

「人の命の重み」と向き合った名作・グローランサー4

グローランサーというRPGをご存知でしょうか。6作目まで発売されているRPGのシリーズなのですが、現在のところ続編が発売される気配はなく、初代の作品がPSPでリメイクされたのが一番新しい作品になってしまっているのですが、僕にとってこのシリーズではグ…

書店で仏教の本を見かけると、時々怖くなる

このブログでも過去に何度か小池龍之介師の書籍は取り上げているし、やはり仏教というのは古くから存在するものなのでその中には心を落ち着かせるヒントや欲求をコントロールする上で優れたノウハウが存在するということ、それ自体は全く否定できないもので…

ブログ運営が苦しくなる理由を喝破した小池龍之介『考えない練習』

スポンサードリンク // 僧侶が指摘する、ブログが苦しい理由 久々に小池龍之介師の『考えない練習』を読み返していたのですが、ブログについて書かれている部分で色々と身につまされる箇所がありました。 考えない練習 (小学館文庫) 作者: 小池龍之介 出版社…

郭淮って本当に病弱だったの?

三國無双では「晋」の勢力に入っている郭淮。 僕は無双orochiの中でしか見たことがないですが、見るからに病弱で顔色が悪く、いつも咳き込んでいるというキャラクターになっています。 ゲーム中では女好きで人生が楽しそうな郭嘉を羨ましがる一幕もあったり…

古代ローマ末期の「ヘイトスピーチ」

geopoli.exblog.jp 時事問題に過去の歴史を当てはめて解説しようとすると色々と無理が出てきたりするものですが、ローマ領内に侵入したゴート人を「難民」と捉えることは必ずしも的外れとは言えないようです。上記の記事を読んだあと『新・ローマ帝国衰亡史…

「おんな城主直虎」は直虎と直政の二代記になる?

ソースは不明ですが 来年の大河ドラマ「おんな城主直虎」が直虎と井伊直政の二代記になる、というツイートをいくつか見かけたのですが、ソースが何なのかはわかりませんでした。やはりそうか、と言いますか、そうでもしなければこのドラマは一年持たせること…

誰の心にも、李徴が住んでいる

創作は、時に人を壊す 素人ながら創作などに手を染めていれば同好の士との交流も生まれ、周囲にはそういう人達が集まってくる。すると、創作を続ける中で人格が壊れてくる人を目にする機会も多くなってくる。人気作家への嫉妬心に苦しむ人や、自分の才能に絶…

コミュニケーションの極意は、自意識を脱いでいくこと 『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』

ta-nishi.hatenablo スポンサードリンク // 「コミュ障」の視点に立つ誠実なコミュニケーション術の本です id:Ta-nishiさんのこちらのエントリが面白かったので、紹介されている『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』を読んでみました。 なぜ、この人と…

なぜ、成功本を読んでも成功できないのか?新田亮介『成功本はムチャを言う!?』

最近の自己啓発界のスターって誰なのでしょうか。数年前までは勝間和代さんがそのポジションにいたと思いますが、最近はあまりこれという人が思い浮かびません。単に僕があまりその手の本を読まないこともあるんでしょうが、自分磨きに余念のないビジネスマ…

なぜ真田信繁は「幸村」と呼ばれているのか?

昨日の真田丸では信繁が幸村と名を改めていましたが、その経緯は壺に入れた文字からくじで選ぶというかなり驚くようなものでした。「天下一統」の文字も壺の中に入れてましたが、一とか下とか出てきたらどうするんでしょうか。もっとも、足利義教がくじ引き…

男女関係で自分を飾るのは「不誠実」なのか

今日はこちらを読んだ感想などを。 anond.hatelabo.jp僕自身は戦国無双の稲姫とか、シンフォギアの風鳴翼のような堅苦しい感じのキャラが好きなので、「隙がない女は好かれない」なんてありえないんじゃないかと思うのですが、誰もお前の好みなんて聞いてな…

青年の怒りが天元突破してる『幸せになる勇気』

『嫌われる勇気』から二年を経て、あの男が帰ってきました。そう、哲人の対談相手であるあの「青年」です。本の中では三年の時間が経ったことになっているのですが、前著では大学図書館で司書を勤めていた青年は教師になっていました。そして教育現場で再び…

「優しい人間」って何だろうね

今日はこの辺を読んだ雑感などを。 anond.hatelabo.jp この独白と同じような意味合いで、「お前は本当は優しい人間ではない」と他者を非難する人というのはいます。「お前は確かに人を傷つけるようなことはしないけれど、それは気が弱くて他人の顔色を伺って…

又兵衛は信繁に出丸建設の邪魔をされた?福田千鶴『後藤又兵衛』

真田丸が来週からいよいよ大阪編に突入するようなので、予習として福田千鶴『後藤又兵衛』を読んでみました。 後藤又兵衛 - 大坂の陣で散った戦国武将 (中公新書) 作者: 福田千鶴 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2016/04/19 メディア: 新書 この商品…

五年ぶりに出戻った元はてな民から見える光景

最近、ようやくはてなブログに慣れてきた 僕が去年ここ、はてなブログで日記を書き始めたのが去年のことです。よく覚えていませんが、以前はてなダイアリーで日記を書いていたのがその頃から五年ほど前だったと思います。五年ぶりに戻ってきてはてなブログを…

誰とも共有できない趣味を見つけたい

特に外向的な人にとって、趣味というのは多くの場合、人間関係の触媒なのではないでしょうか。なにか趣味を探そうとした場合、「それがどれだけ楽しいか」も大事だけれど、「それを通じてどれくらい交友関係が広がるか」を大事にする人達というのがいます。…

91歳まで引退できなかった苦労人の生涯『真田信之 父の知略に勝った決断力』

『真田丸』時代考証担当の一人・平山優さんの『真田信之 父の知略に勝った決断力』が発売されたのでさっそく読んでみました。 真田信之 父の知略に勝った決断力 (PHP新書) 作者: 平山優 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2016/09/16 メディア: 新書 この…