明晰夢工房

読んだ本の備忘録や日頃思ったこと、感じたことなどなど

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

オオカミはどんな過程を経てイヌになったのか?アリス・ロバーツ『飼いならす──世界を変えた10種の動植物』

飼いならす――世界を変えた10種の動植物 作者:アリス ロバーツ 発売日: 2020/10/16 メディア: 単行本 イヌと人間とのかかわりは、従来思われていたより古いようだ。この本ではアルタイ山脈のラズボイニクヤ洞窟でみつかった動物の頭蓋骨を紹介しているが、3万…

森本公誠『東大寺のなりたち』に見る東大寺造立の社会的効果

東大寺のなりたち (岩波新書) 作者:森本 公誠 発売日: 2018/06/21 メディア: 新書 ピラミッドのような巨大建築物は、建設のために多くの人手を必要とするため、雇用対策として建設されるという一面がある。大仏はどうだろうか。奈良の大仏の造立に参加した人…

【感想】小川仁志・萱野稔人『闘うための哲学書』理性でいじめを止められるか?

闘うための哲学書 (講談社現代新書) 作者:小川仁志,萱野稔人 発売日: 2014/12/26 メディア: Kindle版 基本的にあまり哲学に興味がないのだが、この本のスピノザの『国家論』の内容を引きつついじめがなぜなくならないのか、を論じている箇所は面白い。萱野稔…

【感想】千葉ともこ『震雷の人』

震雷の人 作者:ともこ, 千葉 発売日: 2020/09/17 メディア: 単行本 安史の乱の混乱に巻き込まれ、敵味方に分かれた兄妹の運命を描く大河小説。主人公の采春は男以上に剣や弓を操る女傑で、安禄山の眼前では足で弓を射る腕前を披露する場面もあるなど、武侠小…

【書評】パニコス・パナイー『フィッシュ・アンド・チップスの歴史』

フィッシュ・アンド・チップスの歴史: 英国の食と移民 (創元世界史ライブラリー) 作者:パニコス・パナイー 発売日: 2020/09/17 メディア: 単行本 イギリス料理といえばフィッシュ・アンド・チップスをまず思い浮かべる人は多い。イギリスを代表する国民食で…

【朗報】講談社『中国の歴史』シリーズが講談社学術文庫に来る!

なんと累計150万部を達成したシリーズ「中国の歴史」全12巻、ついに学術文庫で発売開始ですᕦ(ò_óˇ)ᕤ pic.twitter.com/iISrdGp16P — 講談社学術文庫&選書メチエ (@kodansha_g) 2020年10月2日 日本だけでなく中国でもずいぶん売れた講談社の中国の歴史シリーズ…

森山至貴『10代から知っておきたいあなたを閉じ込める「ずるい言葉」』に見る「社会学者が嫌われる理由」

10代から知っておきたい あなたを閉じ込める「ずるい言葉」 作者:森山 至貴 発売日: 2020/08/18 メディア: Kindle版 togetter.com この本は少し前に「裏表紙がクソリプ大集合みたいな本」としてツイッターで話題になった。「あなたのためを思って言っている…