明晰夢工房

読んだ本の備忘録や日頃思ったこと、感じたことなどなど

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

【感想】渡辺靖『白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」』

白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」 (中公新書) 作者:渡辺靖 発売日: 2020/05/29 メディア: Kindle版 ブラック・ライブズ・マター運動が全世界で盛り上がりをみせる中、タイムリーな新書が出た。本書『白人ナショナリズム アメリカを揺る…

【感想】市川裕『ユダヤ人とユダヤ教』

ユダヤ人とユダヤ教 (岩波新書) 作者:裕, 市川 発売日: 2019/01/23 メディア: 新書 これを読んでいて、ユダヤ史についての知識に穴があることに気づいた。それは中世、とりわけイスラーム世界におけるユダヤ人についてだ。この本では4つの視点からユダヤ人と…

原始仏教の最もわかりやすい入門書『ゴータマは、いかにしてブッダとなったのか』

本当の仏教を学ぶ一日講座 ゴータマは、いかにしてブッダとなったのか (NHK出版新書) 作者:佐々木閑 発売日: 2013/03/29 メディア: Kindle版 1日、6時限かけて著者の授業を聞くという形式の原始仏教講座。内容はきわめてわかりやすい。ブッダの生涯を語る…

【感想】天野純希『燕雀の夢』

燕雀の夢 (角川文庫) 作者:天野 純希 発売日: 2020/01/23 メディア: Kindle版 織田信秀、武田信虎、松平広忠など「英雄の父」を主人公とした短編集。6つの短編はどれも読みごたえがあるが、中でも『虎は死すとも』と『楽土の曙光』の二編がとくに印象に残っ…

【感想】宮部みゆき『ぼんくら』の善人描写の巧みさについて語る

ぼんくら(上) (講談社文庫) 作者:宮部 みゆき 発売日: 2004/04/15 メディア: 文庫 ぼんくら(下) (講談社文庫) 作者:宮部 みゆき 発売日: 2004/04/15 メディア: 文庫 いまさら言うまでもなく、宮部みゆきはすぐれたミステリ作家だ。だからもちろん『ぼんくら…

呉座勇一氏による明智光秀の人物評が『明智光秀と細川ガラシャ 戦国を生きた父娘の虚像と実像』で読める

明智光秀と細川ガラシャ (筑摩選書) 作者:章一, 井上,勇一, 呉座,クレインス,フレデリック,南燕, 郭 発売日: 2020/03/13 メディア: 単行本(ソフトカバー) 四人の著者が明智光秀とガラシャについて論じている本。第一章の『明智光秀と本能寺の変』では、呉…