明晰夢工房

読んだ本の備忘録や日頃思ったこと、感じたことなどなど

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『講談社学習まんが日本の歴史』が本当に最新学説を取り入れているか確認してみた

rekishimanga.jp 日本史の学習マンガとしては一番新しいシリーズになる『講談社学習まんが日本の歴史』シリーズなのですが、監修者を見てみると6巻から9巻までは『応仁の乱』著者の呉座勇一氏の監修になっていました。 「古代から令和まで最新研究を網羅」と…

【感想】葉室麟『蛍草』

螢草 (双葉文庫) 作者:葉室 麟 発売日: 2015/11/12 メディア: 文庫 葉室麟作品の中でも『蛍草』はもっともストーリーがシンプルな部類の作品だ。武家の娘が女中になり、世話になった優しい主人夫婦の恩に報いるため、主人の危機を救おうと奔走する。最後には…

【感想】水野良『ロードス島戦記 誓約の宝冠1』は純然たる「戦記」になるか?

ロードス島戦記 誓約の宝冠1 (角川スニーカー文庫) 作者:水野 良 発売日: 2019/09/01 メディア: Kindle版 前作が神話や伝説だったとすれば、こちらは現実の歴史そのものというイメージになる。今回、ロードス島には英雄と呼べる人物はもういない。『ロードス…

【書評】中国歴史人物選『秦の始皇帝 多元世界の統一者』

秦の始皇帝―多元世界の統一者 (中国歴史人物選) 作者:籾山 明 メディア: 単行本 始皇帝の本は古いものだと、どうしても史記のエピソードを並べることに終始しがちだ。長平の戦い、呂不韋と出生の秘密、嫪毐の乱、荊軻の暗殺未遂事件、焚書坑儒と長城建設、全…

【感想】加藤九祚『シルクロードの古代都市 アムダリヤ遺跡の旅』

シルクロードの古代都市――アムダリヤ遺跡の旅 (岩波新書) 作者:加藤 九祚 発売日: 2013/09/21 メディア: 新書 94歳で亡くなるまで発掘の最前線に立ち続けた加藤九祚氏が、アムダリア遺跡で出土した発掘品についてまとめたもの。一番興味をひかれたのはやはり…

【感想】鈴木董『大人のための「世界史」ゼミ』

大人のための「世界史」ゼミ 作者:鈴木 董 発売日: 2019/09/28 メディア: 単行本(ソフトカバー) この本には「文化」「文明」に独自の定義がある。シュペングラーやトインビー、サミュエル・ハンチントンなどあまたの知識人がこれらの言葉を独自に定義して…