明晰夢工房

読んだ本の備忘録や日頃思ったこと、感じたことなどなど

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ソード・ワールド短編集がKindle Unlimitedで読み放題対象なので『レプラコーンの涙』を読んだ

ソード・ワールド短編集 レプラコーンの涙 (富士見ファンタジア文庫) 作者:水野 良 KADOKAWA Amazon ファンタジー小説は作品ごとに世界観も設定も違うので、読みはじめるハードルが少し高い。でも慣れ親しんだ世界観ならすぐストーリーに入っていける。それ…

ゲームブックはファミコンを買ってもらえなかった子供たちの心の隙間を埋めてくれた

www.4gamer.net イアン・リヴィングストンとスティーブ・ジャクソン、このゲームブックの両巨頭の名を懐かしく思い出す人は多いだろう。80年代後半、日本にファンタジーというジャンルが根付きつつあった時代、ゲームブックもこの世界への入り口として大きな…

【書評】人を悪行に駆り立てるのは共感だった──ルドガー・ブレグマン『Humankind 希望の歴史(下)』

ランキング参加中読書 Humankind 希望の歴史 下 人類が善き未来をつくるための18章 (文春e-book) 作者:ルトガー・ブレグマン 文藝春秋 Amazon 『Humankind 希望の歴史』上巻においてルドガー・ブレグマンはスタンフォード監獄実験やミルグラムの電気ショック…

天然理心流はなぜ多摩の豪農に伝わったのか?須田努『幕末社会』

幕末社会 (岩波新書 新赤版 1909) 作者:須田 努 岩波書店 Amazon 天然理心流を開いた近藤内蔵助は、江戸の両国薬研堀に道場を構えていた。だがなかなか門人が増えなかったため、多摩の農村で出稽古をはじめ、この地域に土着していた八王子千人同心たちに剣術…

【書評】「ほとんどの人は本質的ににかなり善良だ」と主張する30代歴史学者の著作『Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章』

Humankind 希望の歴史 上 人類が善き未来をつくるための18章 (文春e-book) 作者:ルトガー・ブレグマン 文藝春秋 Amazon 人間の本質は善か悪か。この問題について、古今の多くの哲学者が議論してきた。西洋思想において性悪説の代表者はホッブズ、性善説の代…