先日の「英雄たちの選択」で取り上げていたのは姉川の戦いで、内容自体もなかなか興味深かったのですが、画面を見ていて妙な違和感が……
渡邊佐和子アナがいない。
そうか、今回から人事異動か。
かわりに司会を務めるのは杉浦友紀アナになっていました。
私はあまりテレビを見ないので知りませんでしたが、杉浦友紀アナは13年キャスターを務めた『サタデー&サンデースポーツ』を降板してこの番組に移ってきたことになります。
スポンサーリンク
杉浦アナはソチ冬季五輪の実況でブレイクしたそうですが、私は全然観ていなかったので存在を知りませんでした。杉浦アナは平昌オリンピックでもキャスターを務めていましたが、スポーツキャスターのキャリアの長い杉浦アナをこの番組に持ってくるのはなかなか思い切った人事です。
「新年度からは少しスポーツから離れますが、更に幅を広げて、またスポーツをお伝えする場所に戻ってこれたらと思っています」という台詞からするともしかして英雄たちの選択の司会は不本意なのだろうか、とも思ってしまいますが、そんなことはないと信じたいところです。
ずっとスポーツ畑だった杉浦アナからすれば歴史番組は慣れないところもあるだろうと思ったのか、磯田道史さんが杉浦アナが岡崎出身であることに何度も触れていました。
磯田道史「浅井長政は信長を裏切りましたけど、家康は絶対に裏切らないんですよ。三河者って本当に律儀なんですよね。貴方の出身地ですよ」
杉浦アナ「はい、律儀なんですよ~」
磯田道史「姉川の戦いでは徳川が信長を支えたから勝ったことになってますけど、それって徳川が歴史を書いてるからそう言ってるわけなんですよね。貴方の出身地なのに申し訳ないけど」
杉浦アナ(苦笑)
うろ覚えですがこんな感じのやり取りが何度かありました。
徳川周りの話が出るたびにこういう感じに言及されるんだろうか。
いや、初回だけでしょうけどね。
番組中では姉川の戦いの後に「志賀の陣」と呼ばれる一連の戦いがあり、これだけ抵抗できるからには姉川での浅井軍の痛手はあまり大きくなかったのではないかという話も出ていました。
姉川の戦い前後から羽柴秀吉や明智光秀、柴田勝家といった信長の後継者の出世競争がこの辺からはじまっていたという磯田さんの指摘に杉浦アナが「面白いですね~」と感心している場面もあり、歴史に詳しそうな渡邊佐和子アナとは違う初々しさみたいなものも感じられました。
正直、司会としては落ち着いた雰囲気の渡邊佐和子アナのほうが合ってるような気がしていましたが、杉浦アナもそつなく司会をこなしていたし、何年か経てば渡邊アナのように立派な歴女になるかもしれないので今後の成長にも期待したいと思います。
実はこの記事を書く前に少し杉浦友紀さんについて検索していたんですが、なんというかまあ……容姿に関する話題ばっかりですね。
アナウンサーなんだからもう少し仕事のことに言及してあげてもいいような……
女子アナは芸能人じゃないだろうといつも思うんですが、杉浦アナ目当てにこの番組を見る人が増えるなら、それはそれで悪いことではないんでしょうが。
この日の放送では信長が浅井長政に裏切られて信長包囲網が形成され、際限なく敵が湧いてくる状況になって信長の残虐性が増していったとか、浅井の血は公家にも徳川にも入っているからある意味浅井は勝ったのではないかとか、なかなか興味深い話も展開されていました。
千田さんが信長の頭蓋骨コレクションは長政だけだ、と指摘していたのはちょっと笑いましたが。
杉浦友紀アナ二回目の司会になる「汽笛一声!文明開化を決めた資金調達~若き大隈・伊藤の挑戦~」の回も見ましたが、やはりまだ渡邊佐和子アナほどは慣れていないところもあるのか、若干司会がおとなしめな印象も受けました。
開発官僚である大久保利通が鉄道の敷設に反対していたというのは以外。
それでも一度鉄道に乗ってみたあとは鉄道の必要性がよく理解できたというのですから、少しだけでもとりあえず作るのは大事なのかもしれません。
明治日本は結局イギリスの資金で鉄道を作りましたが、もし国内資金で鉄道をつくっていたら建設自体は遅れるものの、日本人は今よりも投資の重要性を理解できる国民になっていたのではないか?という瀧本哲史さんの指摘にはなるほどと思いました。
ところで、この番組の男性視聴者の半分は中野信子さん目当てで見ている(そんなことはないと思いますが)という話がありますが、杉浦友紀アナが司会になってからはまだ中野信子さんは出演していません。これは……まあ、あまり考えても仕方のないことでしょう。単に偶然だと思います。
英雄たちの選択はときどき雑な部分もありますが、この手の歴史番組としては今一番おもしろい番組だと思っているので、杉浦友紀さん目的でも視聴者が増えることを願っています。
それと言い忘れましたが渡邊佐和子さん、4年半の司会お疲れ様でした!