明晰夢工房

読んだ本の備忘録や日頃思ったこと、感じたことなどなど

古典

【感想】ソフォクレス『オイディプス王』(kindle unlimited探訪6冊目)

オイディプス王 (光文社古典新訳文庫) 作者:ソポクレス 光文社 Amazon 本を読むならとにかく古典を読め、という人がいる。なんだか権威主義的であまりお近づきになりたくないタイプだ。とはいうものの、確かにこれは読んでおいたほうがいい、と思える古典は…

【感想】高橋源一郎『一億三千万人のための「論語」教室』の訳が自由過ぎる件

一億三千万人のための『論語』教室 (河出新書) 作者:高橋源一郎 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2019/10/26 メディア: 単行本 高橋源一郎さんによる『論語』の全訳なんですが、この訳はまぁ、なんというか……かなりぶっ飛んでますね。高橋さんはこれ…

【感想】小林昌平『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』は思想書のダイジェストとしては使える

その悩み、哲学者がすでに答えを出しています 作者: 小林昌平 出版社/メーカー: 文響社 発売日: 2018/04/27 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る アリストテレスやベルクソン、シッダールタ、ラカン、ハンナ・アーレントなどなど古…

孔子が論語で語った名言にどれくらい「そうだよな」と言えるか

もう20年くらい前のことだと思うが、酒見賢一が雑誌のインタビューで「論語に書いてあることって、そうだよなって思うことが多いですよね。親の年齢を知らないようではいけないとか」と答えていたのを覚えている。おそらくは『陋巷に在り』に関係するインタ…

マクベスとマクベス夫人と「男らしさ」の枷

かつてある大物政治家を暗殺しそこねた右翼青年が「男になりたかった」と漏らしていた記憶がある。男はただ生きているだけでは「男」になれない、「男らしい」何かをなさなくてはならないのだ──こういう価値観は古びてきてはいるものの、それでもなお残ると…