明晰夢工房

読んだ本の備忘録や日頃思ったこと、感じたことなどなど

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

伊東潤『江戸を造った男』感想:川村瑞賢の仕事はもっと知られるべき

江戸を造った男 (朝日文庫) 作者: 伊東潤 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2018/10/05 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 見事に生きるとはどういうことか、その答えのひとつがここにある。 河村瑞賢。教科書などで一度は耳にしたことのある…

明晰夢工房選・2018年のおすすめ新書ベスト5

今年もいろいろな本を読みましたが、今年読んだ本ではとくに新書が豊作だったので、2018年に発売された新書のベスト5を紹介します。このブログなのでどうしてもジャンルが歴史系に偏りますがそこはご容赦を。 呉座勇一『陰謀の日本中世史』 saavedra.hatenab…

『GENESIS 一万年の午後』感想:これはSF初心者にもおすすめできる粒揃いのアンソロジー

Genesis 一万年の午後 (創元日本SFアンソロジー) (創元日本SFアンソロジー 1) 作者: 堀晃ほか 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2018/12/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る カクヨムに公開されている名作短編『森島章子は人を撮らない』の…

『決戦!関ヶ原』感想:シリーズ第一作として十分な出来栄え

決戦!関ヶ原 作者: 葉室麟,冲方丁,伊東潤,上田秀人,天野純希,矢野隆,吉川永青 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2014/11/19 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (5件) を見る 歴史アンソロジー集として8作目まで出版されている決戦!シ…

キットカットに溝が刻まれているのはなぜ?『チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石』でたどるチョコレートの歴史

チョコレートの世界史―近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石 (中公新書) 作者: 武田尚子 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2010/12/01 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 28回 この商品を含むブログ (26件) を見る これ一冊でアステカ帝国時代か…

国立アイヌ民族博物館が2020年4月白老町ポロト湖畔にてオープン予定

企画展 キムンカムイとアイヌ 先週末、「キムンカムイとアイヌ」という企画展に行ってきました。 「キムンカムイ」とはアイヌ語で「山にいる神」の意味で、ヒグマのことを指します。 アイヌのマキリ(小刀)は美術品としての価値も高いのですが、今回は写真…

長篠の戦いのアンソロジー小説『決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍』感想

決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍 作者: 赤神諒,佐藤巖太郎,砂原浩太朗,武川佑,簑輪諒,宮本昌孝,山口昌志 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/10/18 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 歴史アンソロジーの決戦!シリーズも…

妻を3度も寝取られた田舎貴族の裁判を扱った『姦通裁判』が名著だった

姦通裁判 ―18世紀トランシルヴァニアの村の世界― (星海社新書) 作者: 秋山晋吾 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/04/27 メディア: 新書 この商品を含むブログ (1件) を見る こういうものを読むと、星海社はほんとうにいい仕事をしているなと思いますね…