2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧
中華世界の盛衰 4世紀 岩波書店 Amazon 今年10月から岩波講座世界歴史新シリーズの刊行がはじまった。刊行二冊目になる『中華世界の盛衰 4世紀』では、殷から西晋末にいたるまでの中華世界およびその周辺世界を扱っている。通史を扱っているのは『「中華帝国…
頼朝と義時 武家政権の誕生 (講談社現代新書) 作者:呉座勇一 講談社 Amazon 本書の特徴をかんたんに言うと、「公武対立史観にとらわれない歴史叙述」になる。公武対立史観とは、公家と武家の対立関係を宿命的なものとみなす歴史観のことだ。この史観に立つと…
塞王の楯 (集英社文芸単行本) 作者:今村翔吾 集英社 Amazon 今村翔吾がまたやってくれた。『じんかん』では「悪人」ではない松永久秀の激烈な生涯を描いた作者が今回主人公に据えるのは、「穴太衆」とよばれる石工の青年・匡介。幼いころに信長に故郷の一乗…
news.yahoo.co.jp このニュースでけんごさんに興味が出てきたので、TikTokの動画を見てみた。動画はどれも30秒くらいで、視聴者に刺さりそうなフレーズをうまく用い、小説の魅力的なところを簡潔に紹介している。これが書評かといわれればそうではないと思う…
アンナ・コムネナ(1) (星海社コミックス) 作者:佐藤二葉 講談社 Amazon 開幕一秒で弟に「お前を消せばいいわけね」と言い放つヒロインもめずらしい。本作の主人公アンナ・コムネナは父アレクシオスが皇帝なので、自分もビザンツ皇帝をめざしていたが、弟…
最澄と徳一 仏教史上最大の対決 (岩波新書 新赤版 1899) 作者:師 茂樹 岩波書店 Amazon 仏教というより高度な論理学の本を読んだような、不思議な読後感が得られる一冊だった。本書『最澄と徳一 仏教史上最大の対決』は、タイトル通り最澄と徳一の論争につい…
霊獣紀 獲麟の書(上) (講談社文庫) 作者:篠原悠希 講談社 Amazon 晋の統一ははかない。三国時代がようやく終わり、一見中華は平穏を取り戻したかにみえるが、少しづつ内乱の足音が近づいてくる。気候の寒冷化も進み、半農半牧の生活を送る遊牧民の青年・ベ…