明晰夢工房

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マギレコのPAPA先生が描く武田信虎のマンガが面白い

なんと平山優先生監修の武田信虎のマンガがツイッターに投稿されていた。描いているのはマギレコでお馴染みのPAPA先生。信玄のパパだからPAPA先生という人選?かわいい絵柄なのに内容は本格派だ。

 弱冠14歳で武田家当主になり、翌年に坊ヶ峰の戦いで反乱軍を撃破する信虎。天才かな?実際に指揮していたのは家臣の誰かかもしれないけどすごい。

 京都を真似して升目上の区画をつくり、甲府を建設する信虎。そして国衆とその家族を強制的に甲府へ移すなど剛腕を発揮している。秀吉の城下集住策に先んじること半世紀。やっぱり信虎はすごい。

 甲斐に攻め込んできた1万五千の今川氏親軍を二千の兵でどうにか退ける信虎。すごい……のか?戦勝の数日後に生まれたため勝千代と名づけられた子が後の信玄。

 

 

棟別銭を課し佐久郡も平定するなど着々と力を蓄える信虎。しかし次第に晴信との確執が深まっていく。

 

家臣の人望を失い追放されるも、武田家の基礎をつくったとフォローされる信虎。甲府を建設し甲斐を統一した信虎の存在なくして、信玄の活躍はない。信虎の悪評が広まったことで甲斐が晴信の下で一致団結したという功績(?)もある。すごいのかそれは。

 

武田信玄アレクサンドロスなら武田信虎はフィリッポス二世みたいなものだ。内憂外患に悩むマケドニアを危機から救い、新首都を建設するなどきわめて有能だったこの父なくしてアレクサンドロスの活躍はない。フィリッポス二世はわりと有名だが、武田信虎の名誉回復は十分になされているとはいえない。甲斐を強国にのし上げ、信玄が雄飛する基礎をつくった人物として、もっと注目されていいように思う。

武田信虎 (中世武士選書42)

武田信虎 (中世武士選書42)

  • 作者:平山 優
  • 発売日: 2019/11/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)