明晰夢工房

読んだ本の備忘録や日頃思ったこと、感じたことなどなど

2016-01-01から1年間の記事一覧

アドラー心理学『嫌われる勇気』を読んでいて気になったこと

以前から気になっていたこの本なのですが、最近ようやく読むことができました。 嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え 作者: 岸見一郎,古賀史健 出版社/メーカー: ダイヤモンド社 発売日: 2013/12/13 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品…

自己評価が高いのは、本当にいいことなのか

今日はこちらを読んで考えたことなどを。 gattolibero.hatenablog.com 最初にお断りしておくと、こちらのエントリで書いてあることにはほぼ同意である。自己肯定感が低いと、とにかく生きづらい。単に辛いというだけでなく、理不尽な言いがかりをつけてくる…

立派すぎる創作論には聞く耳持ちません

しばらくこちらを留守にしていたが、今後は読者からの支持を取り付けるといったことは一切考えず、ここは単に考えたことを捨てていく場所として使おうと思っている。何だ、それって今までと何も変わらないじゃないの。 ということを前置きした上で。 時折創…

百万本のバラ

相手との距離感も測らずに一方的にプレゼントを贈るなんておかしい、それくらい考えればわかるだろうというのは一般論としては正しいし、あれがあのケースにおける正解ではなかったことは明らかなのでそこについて論じる気は全くない、のですが。 ただ、間違…

2017大河「おんな城主直虎」に感じるいくつかの懸念

スポンサードリンク // 女城主・井伊直虎 (PHP文庫) 作者: 楠戸義昭 出版社/メーカー: PHP研究所 発売日: 2016/04/29 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る まだ気が早い感じではありますが、来年の大河ドラマ『おんな城主直虎』の予習のためにこのよ…

大腸がんの体験と「公正世界信念」

以前、カクヨムで大腸がんの体験記を公開したことがあります。 kakuyomu.jp 内容としては初期の大腸がんの手術をしてしばらく入院したというだけのことで、辛い闘病体験やそれでもこんな仲間が支えてくれました的なドラマを期待されると当てが外れてしまうと…

自分自身も「老害」化しつつあるという自覚

togetter.com togetter.com こういうものを読んでいてある程度共感する部分もある程度には、自分も「老害」化しつつあるのかな、という自覚はある。最も僕自身は野尻氏のように最近の所謂「転生もの」は主人公を甘やかしているから良くない、というよりも、…

やりたいことがあるのは「解けない呪い」だ――ちきりん・梅原大吾『悩みどころと逃げどころ』

ウメハラという人は、とても言語化能力の高い人だと思う。そして決して媚びない人でもある。例えばこの本の対談で「やりたいことがあるのは幸せ」だというちきりんに対して「やりたいことがあるのは解けない呪いにかかっているようなもの」だなんて言ってし…

創作で得た幸福と不幸

冷静に考えると、いま創作をやっていて、果たして以前より幸福になっているのか?と問われると難しい。幸不幸の総量を比べてみると以前とあまり変わらないが、以前は味わえなかった種類の幸福と不幸が増えてきた、という感覚がある。総合すると、どうにか幸…

今改めてプレイすると味のある名作・ドラゴンクエスト7

4月の終わりから1ヶ月くらいかけてドラゴンクエスト7で遊んでみた。この作品が発表された当時、あまり評判が良くなかった記憶がある。魔王に封印されている島を次々と復活させていくというシステムのため、ストーリーが長い割に細切れになっている感があ…

『お目出たき人』に見る純愛とストーキングの境界線

スポンサードリンク // ta-nishi.hatenablog.com 個人的には、「片思いはストーカー予備軍」とまで言ってしまうのは若干の抵抗を感じるのですが、かといってそういう心の動きを純粋で美しいものと断定するのも難しいものです。募る想いを持て余した挙句に凶…

人はなぜ、創作をするのか

そんなことをときどき考える。創作で人から褒められたり、認められたりした時の喜びはとても大きい。もちろん創作をすること自体が喜びではあるのだが、やはりそれだけで十分とは言えない。時に人から作品を評価してもらえるからこそ書くエネルギーが沸くし…

「小説家になろう」の投稿作品は意外と偏ってはいないという話

anond.hatelabo.jp 「小説家になろう」でランキング入りしている作品ががほぼ同ジャンルに集中しているというのはその通りで、だからなろうにはこのような作品ばかりが投稿されていると思われがちなのだが、実際には多様な作品が投稿されている、という分析…