明晰夢工房

読んだ本の備忘録や日頃思ったこと、感じたことなどなど

2018-01-01から1年間の記事一覧

世界史リブレットのおすすめの巻を紹介してみる

山川出版社からは世界史リブレットという小冊子がたくさん刊行されています。古今東西の多くのテーマを扱っていて、ページ数こそ少ないものの各分野の専門家が書いているため中身が濃く、コスパは決して悪くありません。姉妹編として『世界史リブレット 人』…

森川智之『声優 声の職人』で「帝王」がボーイズラブCDやダミーヘッドマイクについて語っていた

森川智之さんという方のことを、私はあまり詳しくは知りません。 とはいえ、岩波新書で声優を扱った本が出るとなれば気になるのも確か。 というわけで、さっそく読んでみました。 森川さんのブログが更新されています! はい、帯は写真のチョイスも含めて編…

「2020年大河ドラマの主人公が明智光秀」報道で考えた大河ドラマの題材選びの難しさ

headlines.yahoo.co.jp まだ確定したわけでもないですが、ついにきたか……と感じましたね、これは。 大河ドラマというのは、回数を重ねるほどに題材選びが難しくなっていくものだと思います。 一度扱った人物はもう10年は主人公にはできないだろうし、放映を…

【感想】眺めているだけでワクワクする。『世界をまどわせた地図』にはムー大陸からパタゴニアの巨人まで怪しい伝承満載

ドラゴンクエストはなぜ面白いのか、とたまに考える。 もちろんストーリーに惹き込まれるとか、レベル上げが楽しいということはある。 しかしやはり欠かせない要素として、「知らない世界を冒険できる」ということが挙げられるのではないだろうか。 ワールド…

元号一覧や改元の理由を知ると日本は災害大国だと思い知らされる

スポンサーリンク // 元号を知ると、日本史をより深く理解できる 元号 全247総覧 作者: 山本博文 出版社/メーカー: 悟空出版 発売日: 2017/09/15 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る もうすぐ元号も改まるので、最近はこの本を読んで元号の歴史に…

磯田道史『日本史の内幕』感想:磯田道史はおんな城主直虎の仕掛け人だった?

日本史の内幕 - 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで (中公新書) 作者: 磯田道史 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2017/10/18 メディア: 新書 この商品を含むブログ (5件) を見る 磯田道史という人はふしぎな人だ。まるで古文書の方から彼に近づい…

武田信玄が教科書から消える(かもしれない)件についての歴史家の見解

headlines.yahoo.co.jp 武田信玄や上杉謙信、坂本龍馬、吉田松陰などの有名人物が歴史教科書から消えるかもしれない、ということが去年から話題になっています。 いろいろと意見はあるでしょうが、武田信玄については武田氏について多くの著作があり、『真田…

杉浦友紀アナが「英雄たちの選択」の司会になっていた

先日の「英雄たちの選択」で取り上げていたのは姉川の戦いで、内容自体もなかなか興味深かったのですが、画面を見ていて妙な違和感が…… 渡邊佐和子アナがいない。 そうか、今回から人事異動か。 かわりに司会を務めるのは杉浦友紀アナになっていました。 私…

世界史の超おすすめ概説本を7シリーズ+5冊紹介してみる

書棚を見ていると世界史の書籍がかなりの冊数になったので、せっかくなので世界史を学んでみたいという方のためにおすすめの概説書を紹介してみることにしました。 なお、これから紹介する本は社会人が趣味として学ぶためのものを想定しています。たぶん高校…

読者を新たなクトゥルフ沼に誘う一冊──『邪神任侠 家出JCを一晩泊めたら俺の正気度がガリガリ削れた』

世の中にはたくさんの「沼」がある。 鉄道やミリタリー、歴史、哲学、廃墟やSFなどなど、一度はまり込んだら抜け出せないジャンルは枚挙にいとまがない。 そして、中でもとりわけ深い沼のひとつにクトゥルフ神話がある。 それだけに、クトゥルフを題材とした…

呉座勇一『陰謀の日本中世史』が学会の大物から在野の研究者まで撫で斬りにしている件

陰謀の日本中世史 (角川新書) 作者: 呉座勇一 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/03/09 メディア: 新書 この商品を含むブログ (12件) を見る これは凄い。 880円の新書でありながら保元・平治の乱から関ヶ原の戦いに至るまでの中世史の概要を学べる。 …

カクヨムの新連載小説「ムルムクス」が怖すぎて続きが気になりすぎる件

読みだしたら止まらない小説というものがある。 いつも歴史とファンタジー小説しか読まない自分が、まさかホラーにここまではまるとは思わなかった。 これは一度読んだが最後、続きが気になり、次回の更新を渇望してしまうようになるだろう。文字通り巻を措…

西郷どん1話「薩摩のやっせんぼ」感想:とにかく渡辺謙の島津斉彬がすべて

子役時代の喧嘩とか挫折とかそこらへんは大河ドラマの定番なのでおいておくとして、やはり今回は島津斉彬、これに尽きる。「蘭癖」とも言われるほど西洋の学問に熱中した斉彬の登場シーンは大砲を爆発させるところだった。佐久間象山も江戸で大砲の演習を行…