明晰夢工房

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『中世への旅 都市と庶民』『中世への旅 農民戦争と傭兵』も復刊決定!

 

『中世への旅 騎士と城』に続き、『中世への旅 都市と庶民』『中世への旅 農民戦争と傭兵』も復刊が決まった。これはめでたい。『騎士と城』の予約が一万冊を超えたとのことなのでもしかしたら……とひそかに期待していたが、本当に残り二冊も買えることになってしまった。本が売れないご時世にはめずらしく明るいニュースだ。

 

一番めでたいのは『中世への旅 農民戦争と傭兵』の復刊ではないだろうか。『中世への旅 騎士と城』と『中世への旅 都市と庶民』は図書館ではよく見かけるが、『中世への旅 農民戦争と傭兵』は大きな図書館でなければ置いていないこともある。ドイツの農民戦争を取り扱った本はそうそうないし、ドイツの傭兵のみを取りあげている本も『ドイツ傭兵(ランツクネヒト)の文化史』くらいしかない。この本は専門書で高いので、中世への旅シリーズのほうがドイツ傭兵について知るには手ごろだ。

 

『中世への旅 都市と庶民』はおもに中世ドイツの都市や農村での生活について書いている。読んだのはだいぶ前なのであまり内容を覚えていないが、「町の城壁は敵軍を撃退するため熱した油をかけたせいで変色している部分がある」など、『狼と香辛料』の都市描写の元ネタと思われる個所があった記憶はある。『騎士と城』よりも生活感が感じられるので、個人的にはこちらの方が読みやすかった。

 

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『中世への旅 騎士と城』の内容はすでに紹介したので、残り二冊も手に入り次第紹介したい。『農民戦争と傭兵』が手に入るのはまだ先のことになりそうなので、それまではドイツ傭兵部隊「ランツクネヒト」に三章も割いている『傭兵の二千年史』を再読しておくことにしよう。これもドイツ史家の菊池良生氏が書いているのでドイツの話題が多いです。